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シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 全26巻【堂々完結!】

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 全26巻【堂々完結!】

[監修・解説] 荒山正彦

揃定価679,800円(揃本体618,000円) 
ISBN 978-4-8433-4342-5 C3326
A5判/上製/函入
刊行年月 2013年11月

関連情報

本書の内容

日本の近代化の歩みを、「旅行」という視点から探ってゆく、これまでにない画期的な新シリーズ。

日本人の旅好きは江戸時代から始まった。お伊勢参りや湯治である。明治の旅はそれを引き継ぎ、当初は徒歩や駕籠、船、人力車を用いた。明治20年ごろからは各地に敷かれた鉄道を利用した鉄道旅行や、さらには大型化・高速化した船舶を利用した海上旅行が普及する。明治末には北海道から九州までが鉄道や船舶を利用した旅行の目的地となり、さらに植民地となった台湾や朝鮮、樺太、日本の支配下にあった満洲なども旅行の目的地となる。大正期には旅行が社会の中にさらに浸透し,昭和前半期にかけて大きなブームとなっていく。「シリーズ 明治・大正の旅行」では,こうした近代の旅行史を「旅行案内書」という一次資料の復刻からたどるものである。

刊行のことば 関西学院大学教授 荒山正彦

 「シリーズ 明治・大正の旅行」第Ⅰ期として「旅行案内書集成」(全五回配本)が刊行されることとなった。一八世紀からすでに、庶民の旅行は盛んに行われていたが、たとえばお伊勢参りに代表される江戸時代の旅は、明治大正期へとどのように継承され連続したのであろうか。また近代社会の中であらたに生みだされた旅行とは、如何なるものであったのか。「シリーズ 明治・大正の旅行」は、旅行案内書の復刻を通してこれらの点を明らかにすることを目的としている。  一般に、近世における旅の移動手段は主に徒歩であったが、 明治の新しい時代を迎えて、空間を移動する方法は大きく変わった。陸上では人力車や鉄道が各地で普及し、海上(水上)では船舶の大型化と高速化がすすんだ。その結果明治期中頃になると、北海道から九州にいたるさまざまな場所が、鉄道や船舶を用いた旅行の目的地となった。明治期の後半には、旅行の空間は台湾や朝鮮、樺太、満洲などにも広がり、世界周遊の団体旅行も実施されるようになった。こうした旅行の歩みは、旅行案内書の変遷からたどってみることができる。  たとえば、『都名所図会』(一七八〇年)にはじまる名所図会の系譜は近世から近代へと継承された。明治期には、近世につくられた木板による名所図会類の出版(再版)ばかりではなく、あらたに稿が起こされ、挿絵入りで出版された「近代の名所図会」が数多くみられる。第一回配本では、近世以来の名所図会という手法を用いた「近代の名所図会」が復刻の対象となる。  明治初期からは各地に鉄道が敷設され、「鉄道旅行」というあらたな旅行スタイルが誕生した。これに伴い明治二〇年代には鉄道旅行案内書が登場する。初期の鉄道旅行案内書は、近世の旅においてしばしば用いられた道中記の特徴が受け継がれている。また豊富な挿絵を含む名所図会の伝統も、大正期の鉄道旅行案内書にはみられる。第二回配本では、このような特徴的な展開がみられた鉄道旅行案内書に注目する。  加えて、こうした鉄道の敷設と鉄道旅行の普及は、台湾や朝鮮、樺太、満洲などにおいてもみられた。日本からシベリア鉄道を利用してヨーロッパへ旅行するための案内書も登場した。第三回配本では、樺太を含む北海道と、いわゆる「外地・植民地」における鉄道旅行案内書や都市案内をとりあげる。  ところで、大型化と高速化がすすんだ船舶を利用する「船旅」もまた、「明治・大正の旅行」を特徴付けるものである。明治一〇年代に設立された大阪商船会社と日本郵船会社による定期航路網の拡充は、旅行の空間を押し広げた。第四回配本では、そうした海上旅行の案内書に注目する。   そして第五回配本では、明治四五年に創設されたジャパン・ツーリスト・ビューロー(現在のJTB)による初の旅行案内書である『旅程と費用概算』を中心にとりあげる。『旅程と費用概算』は、たとえば鉄道路線に沿って案内がなされた鉄道旅行案内書などとは異なり、旅行先への日程や行程がモデルコースとして提案されていることに特徴がある。こうした旅行案内書の特徴は、ほぼ同時代の『漫遊案内 七日の旅』や『満鮮観光旅程』にもみられる。

本書の特色

【第1回配本】
◆第1回配本は、鉄道旅行が一般化する前の、まだ江戸時代と同じ、徒歩や駕籠が主流であった頃の旅の案内書からお届けします。
◆明治と言う新時代の躍動的な転換期の画期ごとに変化を捉えて発売された旅行案内書を精選復刻しました。歴史のビジュアル資料としても貴重です。
◆図版の鮮明な印刷を心がけました。木版画から銅版画への転換も味わってください。
【第2回配本】
◆第2回配本は、鉄道が普及し鉄道旅行が一般的になりはじめた時代から、鉄道を利用することがあたりまえになる時代までの「鉄道旅行案内書」を時系列的に復刻します。
◆鉄道旅行案内書に豊富に含まれる挿絵や写真、地図などもすべて忠実に復刻しました。ビジュアル資料としても貴重です。
◆第10巻の鉄道省『鉄道旅行案内』の吉田初三郎の鳥瞰図をオールカラーで第11巻に収録しました。第10巻とあわせてご覧下さい。
【第3回配本】
◆いわゆる外地と植民地における明治・大正期の旅行案内書を一覧します。
◆近代にあらたに日本の版図となった北海道における初期の旅行案内書と、北海道の延長線上に位置する樺太の鉄道旅行案内書を含みます。
◆朝鮮・満洲・台湾に加えて、シベリア鉄道や山東鉄道の旅行案内書を含みます。
◆第2回配本の鉄道旅行案内書が、北海道・外地・植民地においても同時代に成立していたことがわかります。
【第4回配本】
◆これまでほとんど取り上げられなかった海上旅行の案内書、全16点を復刻しました。
◆昭和戦前期における航路案内を含む、大阪商船(1884年設立)と日本郵船(1885年設立)による航路案内・旅行案内をほぼ網羅しています。
【第5回配本】
◆明治45年創立のジャパン・ツーリスト・ビューロー(現JTB)による初の旅行案内書『旅程と費用概算』を中心に復刻。
◆東京近郊、北海道や九州、朝鮮、満洲への旅行など、各旅行先への日程のほか、交通費・宿泊費をはじめとする、旅行にかかる具体的な費用を紹介。
◆この時期の旅行の実態を知るうえで、貴重な歴史資料である。

●特におすすめしたい方●  
地理学・観光学・交通史・メディア史・日本近代史・文化史・社会学の研究者、関係研究機関、大学図書館、公共図書館など。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第1回配本 近代の名所図会 全4巻

刊行年月 2013年11月 揃定価88,000円 (揃本体80,000円) ISBN978-4-8433-4343-2

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第1巻 東京名勝図会/東京名所図絵

刊行年月 2013年11月 定価18,700円 (本体17,000円) ISBN978-4-8433-4344-9

●東京名勝図会 上・下 岡部啓五郎[著] 明治一〇年 丸屋善七発行
本書は『江戸名所図会』と同じ半紙本である。近世の名所図会の雰囲気を残しつつ、旧来の名所と明治の新しい時代に登場した新名所を多く収録している。本書の刊行された明治一〇年(一八七七)には、第一回内国勧業博覧会が東京上野公園で開催されており、本書は明治初期の東京の風景を一覧しうる貴重な資料でもある。なお出版人は現在の丸善の創業者(早矢仕有的)である。
●東京名所図絵 原田真一[編] 明治二三年 双々舘発行
本書が刊行された明治二三年(一八九〇)は帝国議会が開設された年であり、また東京上野公園では第三回内国勧業博覧会が開催され、浅草には凌雲閣(浅草十二階)が建設された。こうした東京の近代化に伴い、この明治二三年には数種類の「東京名所図絵(図会)」が刊行された。そのなかで本書には、新しく建設された国会議事堂など東京の近代化を象徴する数多くの銅版画が収録されており、同時代の様相をリアルに伝える。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第2巻 京都名勝一覧図会/開化絵入京都見物独案内/京都名所案内図会

刊行年月 2013年11月 定価19,800円 (本体18,000円) ISBN978-4-8433-4345-6

●京都名勝一覧図会 橋本澄月[編] 明治一三年 風月堂発行 
明治初期における京都の旅行案内書を代表する書物である。その内容は近世の『都名所図会』を継承するものであり、一覧されている名勝の多くは神社仏閣であるが、明治期の旅行案内書にふさわしく、勧業場や織工場、師範学校、銀行、郵便局などの近代的な名勝も挿絵とともに描かれている。また多色刷りの挿絵を数多く含んでいることも特徴的である。
● 開化絵入京都見物独案内 文字冨之助[編] 明治一三年 片岡賢三発行
三ツ切本とよばれる横帳の懐中本である。巻頭には三条大橋からの距離が記された名所の目次と、京都の全体地図が掲載されており、文字通り懐にいれて京都を見物するための実用的な旅行案内書である。その内容はやはり『都名所図会』を継承するものであるが、コンパクトな一冊本として編集されていることに特徴がある。
●京都名所案内図会 正・附録 石田旭山[編] 明治二〇年 正宝堂発行
本書は明治一四年(一八八一)に乾・坤二巻本で初版が刊行された同名の名所案内図会の改訂版である。豊富な銅版画が用いられた名所案内と、京都における名山、名桜の一覧や七福神巡り、文人、書家、そしてさまざまな職業人の名鑑が収められた附録からなる。地誌書・地方誌としての名所図会の特徴もよく表している。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第3巻 内国旅行 日本名所図絵(1) 巻之一〜巻之四 

刊行年月 2013年11月 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-4346-3

● 内国旅行 日本名所図絵 巻之一〜巻之四 上田維暁[著] 明治二一〜二二年 青木嵩山堂発行

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第4巻 内国旅行 日本名所図絵(2) 巻之五〜巻之七

刊行年月 2013年11月 定価23,100円 (本体21,000円) ISBN978-4-8433-4347-0

● 内国旅行 日本名所図絵 巻之五〜巻之七 上田維暁[著] 明治二二〜二三年 青木嵩山堂発行
北海道から沖縄に至る日本全国が網羅された、最も初期の旅行案内書である。全七巻からなる同書には各巻ごとに豊富な銅版画が挿入されており、この銅販画から明治期の日本の風景がうかびあがる。出版元の青木嵩山堂は大阪の書肆で、明治一八・一九年に『世界旅行 万国名所図絵』全七巻を刊行しており、本書はその姉妹編となる。著者の上田維暁は、青木嵩山堂を創業した青木恒三郎の実父である。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第2回配本 鉄道旅行案内書の誕生 全7巻

刊行年月 2014年05月 揃定価182,600円 (揃本体166,000円) ISBN978-4-8433-4554-2

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第5巻 大日本道中記大全 駅逓明鑑 旅行必携/大日本汽車名所 独案内/大日本汽車旅行名所図絵 姫路より東京間/山陽鉄道旅客案内 一名山陽道名所図絵

刊行年月 2014年05月 定価25,300円 (本体23,000円) ISBN978-4-8433-4555-9

●大日本道中記大全 駅逓明鑑 旅行必携 岡大次郎[編] 明治一六年 求古堂発行
江戸時代に数多く出版された道中記の形式を引き継ぐ「近代の道中記」である。本書には近世以来の街道と宿場に加えて、東京・横浜間、上野・熊谷間などの鉄道や、利根川蒸気船、東京馬車鉄道のような新しい時代の交通機関が記されている。近世の道中記から近代の鉄道旅行案内書へと移り変わる過渡期の旅行案内書として貴重な一冊である。
●大日本汽車名所 独案内 樋口正三郎[編] 明治二二年 忠雅堂発行
本書はわずか一六ページの小冊子であるが、日本における最初期の鉄道旅行案内書であると考えられる。明治二二年に開業した新橋・神戸間の官営の東海道線と,私鉄の山陽鉄道ならびに日本鉄道の沿線が描かれている。本書もまた近世の道中記の形式が引き継がれている。
●大日本汽車旅行名所図絵 姫路より東京間 木戸篤敬[編] 明治二三年 二書房発行
日本における最初期の鉄道旅行案内書であり、その内容はたいへん充実している。鉄道線と近世以来の街道が併記された全二〇〇ページ余りにわたる行程図と、数多くの挿絵が特徴的である。また本文中には大阪、京都、東京の三都市についての詳細な旅行案内も附されている。
●山陽鉄道旅客案内 一名山陽道名所図絵 山陽鉄道会社運輸課[編] 明治二四年 図書出版会社発行
本書は、私鉄の鉄道会社による自社沿線の旅行案内書である。山陽鉄道会社は明治二一年に兵庫・明石間の鉄道線を開業し、『山陽鉄道旅客案内』(明治二二年)を出版した。本書は、鉄道線が神戸・尾道間へと延長されたことに伴い、大幅に改訂され出版されたものである。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第6巻 全国鉄道賃金名所旧跡案内

刊行年月 2014年05月 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-4556-6

●全国鉄道賃金名所旧跡案内 林荘太郎[編] 明治二七年 林荘太郎発行 
明治二〇年代後半になると、文字通り全国を網羅した鉄道旅行案内書が登場する。本書では、全国の鉄道沿線が広範囲にわたって一冊に収められており、官営の東海道線をはじめ、山陽鉄道、讃岐鉄道、九州鉄道、大阪鉄道、関西鉄道、日本鉄道などの私鉄鉄道線がとりあげられている。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第7巻 全国鉄道名所案内 上・下

刊行年月 2014年05月 定価31,900円 (本体29,000円) ISBN978-4-8433-4557-3

●全国鉄道名所案内 上・下  野崎左文[著] 明治二八年 巌々堂発行 
『日本名勝地誌』の著者でもある野崎左文は、明治二五年に『東海東山 漫遊案内』を、翌明治二六年には『東海東山畿内山陽 漫遊案内』を著しており、本書はこれらを鉄道旅行案内書 として再編集したものである。上下二編からなる本書によって、日本全国の鉄道線がほぼ網羅されている。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第8巻 鉄道作業局線路案内 東海道線北陸線及中央西線

刊行年月 2014年05月 定価30,800円 (本体28,000円) ISBN978-4-8433-4558-0

●鉄道作業局線路案内 東海道線北陸線及中央西線 鉄道作業局運輸部[編] 明治三八年 鉄道作業局運輸部発行
かつての日本国有鉄道(現在のJR各社)の前身となる官設鉄道によって刊行された最初の鉄道旅行案内書である。東海道線、横須賀線、中央西線、北陸線などの沿線旅行案内書として充実した内容を持っている。明治三〇年代以降になると旅行案内書にも写真が多用されるが、本書にも挿絵風の写真が数多く含まれている。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第9巻 鉄道旅行案内(鉄道院編・大正7年)

刊行年月 2014年05月 定価26,400円 (本体24,000円) ISBN978-4-8433-4559-7

●鉄道旅行案内 鉄道院[編] 大正七年 鉄道院発行 
明治三九年の鉄道国有法によって多くの私鉄が官設鉄道に一元化され、鉄道院(明治四一年設置)からは全国の鉄道旅行案内書が刊行されはじめた。本書は、大正四年に刊行された『鉄道旅行案内』の改訂版で、多くの都市図に加えて美しい多色刷りの挿絵や彩色写真がちりばめられた完成度の高い鉄道旅行案内書である。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第10巻 鉄道旅行案内(鉄道省編・大正13年)

刊行年月 2014年05月 定価17,600円 (本体16,000円) ISBN978-4-8433-4560-3

●鉄道旅行案内 鉄道省[編] 大正一三年 鉄道省発行
大正九年に鉄道院は鉄道省へと昇格し、『鉄道旅行案内』はその趣を大きく変えた。判型は横帳となり、吉田初三郎による多色刷りの沿線図と挿絵(第一一巻にオールカラーで一括収録)が多数盛り込まれたのである。名所図会や道中記の伝統が復活したようなユニークな旅行案内書である。本書は大正一〇年に刊行された『鉄道旅行案内』の改訂版である。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第11巻 鉄道旅行案内 鳥瞰図(鉄道省編・大正13年)(カラー版)

刊行年月 2014年05月 定価24,200円 (本体22,000円) ISBN978-4-8433-4578-8

●鉄道旅行案内 鳥瞰図 鉄道省[編] 大正一三年 鉄道省発行 
吉田初三郎による多色刷りの沿線図と挿絵をオールカラーで一括収録。第一〇巻収録の本文との対照ができるよう工夫した。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第3回配本 北海道・外地・植民地の旅行案内書 全6巻

刊行年月 2014年11月 揃定価189,200円 (揃本体172,000円) ISBN978-4-8433-4652-5

※第14巻のみ装丁カバー装となります。

明治以降その版図を拡大した近代日本は、明治28(1895)年における台湾の領有、明治38年における東清鉄道南満洲支線(南満洲鉄道)の権利獲得と朝鮮半島での鉄道敷設を契機として、台湾・朝鮮・満洲においても鉄道経営を担った。日本国内における鉄道旅行の普及と同様に、こうした外地・植民地においても鉄道を利用した旅行が一般化し、また、「鉄道旅行案内」をはじめとする様々な旅行案内書の刊行が行われた。第3回配本では、こうした外地・植民地に併せ、開拓地北海道における旅行案内書にも焦点をあてる。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第12巻 北海道案内/北海道名所案内/北海道旅行案内 

刊行年月 2014年11月 定価34,100円 (本体31,000円) ISBN978-4-8433-4653-2

●北海道案内 加藤重任[著] 明治二五年 北海道物産共進会発行
明治二五年八月一日から同三一日まで、札幌市中島公園で開催された北海道物産共進会と、同年における北海道炭鉱鉄道の一部延長開業にあわせて作成された旅行案内書である。北海道の旅行案内として最も初期に刊行されたものである。  
●北海道名所案内 小島千代松[著] 明治三五年 小島大盛堂発行
明治三四年に函館の小島大盛堂から出版された『北海道名所案内』の改訂版である。著者の小島千代松は望洋散士とも号した。北海道内の名勝・旧跡を写した八〇枚の写真を含む旅行案内で、道内の地誌や移住の案内も記されている。  
●北海道旅行案内 澤 石太[著] 明治四三年 鴻文社発行
明治三七年に刊行された『北鉄旅行案内』の増補改訂第一〇版である。初版から大正四年の『北海道樺太旅行案内』増補第一四版に至るまで、およそ一〇年間にわたって増補改訂が繰り返された、この時期を代表する北海道の鉄道旅行案内書である。本書にも樺太の旅行案内が収められている。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第13巻 北海道鉄道沿線案内/樺太の鉄道旅行案内

刊行年月 2014年11月 定価23,100円 (本体21,000円) ISBN978-4-8433-4654-9

●北海道鉄道沿線案内 北海道鉄道管理局[編] 大正七年 北海道鉄道管理局発行
明治四三年に北海道鉄道管理局から出版された『北海道鉄道沿線案内』の増補改訂版である。同年の鉄道院編『鉄道旅行案内』(第二回配本)では北海道の旅行案内ページは多くはなく、北海道の鉄道旅行案内書としては本書が最も充実している。  
●樺太の鉄道旅行案内 樺太庁鉄道事務所[編] 昭和三年 樺太庁鉄道事務所発行
樺太庁(明治四〇年設置)から出版された樺太の鉄道旅行案内書である。明治大正期において、樺太の旅行案内は北海道の旅行案内書に併記されていたが、本書のように独立した樺太の旅行案内書はたいへんに珍しい。出版は昭和三年であるが本シリーズに収めた。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第14巻 南満洲鉄道案内(明治42年)/南満洲鉄道案内(大正元年)/西比利亜鉄道案内/西比利亜鉄道旅行案内

刊行年月 2014年11月 定価35,200円 (本体32,000円) ISBN978-4-8433-4655-6

●南満洲鉄道案内 南満洲鉄道株式会社[編] 明治四二年 南満洲鉄道株式会社発行
南満洲鉄道株式会社(明治三九年設立)による最初の南満洲鉄道沿線の旅行案内書である。各地の写真と市街地図を豊富に含んでおり、明治期に刊行された日本内地の鉄道旅行案内書の書式やスタイルと類似している。  
●南満洲鉄道案内 南満洲鉄道株式会社[編] 大正元年 南満洲鉄道株式会社発行
明治四二年に刊行された同名の鉄道案内から大幅な増補改訂がなされている。本書もまた、鉄道院によって出版された内地の鉄道旅行案内書『遊覧地案内』(明治四五年)などと類似した書式とスタイルをとっている。  
●西比利亜鉄道案内 大橋省三[編] 明治四三年 万国寝台急行列車会社東京代理店発行
明治四三年四月一日から、南満洲鉄道などを経由して日本内地からシベリア方面への旅客・手荷物の輸送がはじまった。本書はこれを機に出版された簡易な鉄道旅行案内書である。  
●西比利亜鉄道旅行案内 万国寝台急行列車会社[編] 明治四四年 万国寝台急行列車会社発行
明治四三年の『西比利亜鉄道案内』を大幅に改訂したもので、日本の内地から朝鮮半島や満洲を経由して、シベリア鉄道からモスクワ、ベルリン、パリ、ロンドンへ至る旅行案内書である。和文と英文が併記されている。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第15巻 韓国鉄道線路案内/朝鮮鉄道線路案内/朝鮮鉄道旅行案内

刊行年月 2014年11月 定価39,600円 (本体36,000円) ISBN978-4-8433-4656-3

●韓国鉄道線路案内 統監府鉄道管理局[編] 明治四一年 統監府鉄道管理局発行
本書は、韓国における鉄道旅行案内として最も初期の『京釜鉄道案内』(明治三八年)を改訂し出版されたものである。明治三八年以降、下関釜山間の連絡船や釜山京城間、京城平壌間の鉄道線が相次いで開業し、日本内地から朝鮮半島への旅行の利便性が向上したことが、本書出版の背景にはあった。
●朝鮮鉄道線路案内 朝鮮総督府鉄道局[編] 明治四四年 朝鮮総督府鉄道局発行
明治四三年に統監府は廃止され朝鮮総督府が統治機関として設置された。本書はそのあらたな機関から出版された鉄道旅行案内書である。『韓国鉄道線路案内』(明治四一年)からわずか三年後に出版された案内書であるが、その内容は大幅に改訂されている。  
●朝鮮鉄道旅行案内 南満洲鉄道株式会社京城管理局[編] 大正一〇年 南満洲鉄道株式会社京城管理局発行
大正七年に朝鮮国有鉄道の経営は南満洲鉄道へと委託され、同年から鉄道旅行案内書の出版も南満洲鉄道株式会社京城管理局が担った。本書はその大正一〇年版であり、朝鮮総督府による鉄道旅行案内の系譜を引き継ぎ、増補改訂が繰り返されたものである。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第16巻 山東鉄道旅行案内/鉄道旅行案内(台湾総督府鉄道部編輯)

刊行年月 2014年11月 定価28,600円 (本体26,000円) ISBN978-4-8433-4657-0

●山東鉄道旅行案内 青島守備軍民政部鉄道部[編] 大正一〇年 青島守備軍民政部鉄道部発行 
第一次世界大戦時(大正三年)に日本がドイツから同地の鉄道権益を獲得し、大正一二年に中国側へ返還するまでの間に出版された鉄道旅行案内書である。本書は大正九年版から改訂されたものである。  
●鉄道旅行案内 台湾総督府鉄道部[編] 大正一二年 台湾総督府鉄道部発行
台湾における鉄道旅行案内書は、明治四一年の『台湾鉄道名所案内』をはじめ数多い。本書は同時期における日本内地の鉄道旅行案内書同様、たいへんに充実した内容をもっている。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第17巻 朝鮮満洲支那案内

刊行年月 2014年11月 定価28,600円 (本体26,000円) ISBN978-4-8433-4658-7

●朝鮮満洲支那案内 鉄道省[編] 大正一一年 鉄道省発行 
鉄道院編『朝鮮満洲支那旅行案内』(大正八年)の増補改訂版である。鉄道院・鉄道省からは第二回配本時に復刻した二種類の『鉄道旅行案内』が発行されており、本書はその外地/植民地版である。また鉄道院編『東亜英文旅行案内』(全五巻、大正二〜六年)との関連性も強く、本書は明治大正期の外地/植民地の旅行案内書を代表する一冊である。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第4回配本 海上旅行の案内書 全5巻

刊行年月 2015年05月 揃定価117,700円 (揃本体107,000円) ISBN978-4-8433-4778-2

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第18巻・第19巻 大阪商船株式会社航路案内 上・下

刊行年月 2015年05月 揃定価44,000円 (揃本体40,000円) ※分売不可 ISBN978-4-8433-4779-9

●大阪商船株式会社航路案内 原田和作[編] 明治三六年 駸々堂発行
明治一七年に創設された大阪商船会社による最も初期の航路案内書である。その航路案内は、大阪と下関を結ぶ瀬戸内海、紀伊半島の南海、九州、そして揚子江や韓国などへ及ぶ。本文と広告がともに四〇〇ページを越え、また多くの写真を含む。同時代の鉄道旅行案内書と比べても遜色のないボリュームを有する海上旅行の案内書である。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第20巻 浦塩航路案内/瀬戸内海航路案内/航路案内(大正5年)/航路案内(大正8年)

刊行年月 2015年05月 定価33,000円 (本体30,000円) ISBN978-4-8433-4780-5

●浦塩航路案内 大阪商船株式会社[編] 明治四一年 大阪商船株式会社発行
敦賀・小樽からロシアのウラジオストクへの定期航路案内と、ウラジオストクの旅行案内、さらにシベリア鉄道への接続までを案内する小冊子である。  
●瀬戸内海航路案内 大阪商船株式会社[編] 大正二年 大阪商船株式会社発行
大阪商船会社が創業時から主要航路としてきた瀬戸内海一帯の航路案内である。同時代の鉄道旅行案内書と同じように、航路にある各地の旅行案内が網羅されている。  
●航路案内 大阪商船株式会社[編] 大正五年 大阪商船株式会社発行
大阪、神戸、敦賀、小樽などを起点として、台湾、朝鮮、満洲、中国、ロシアへ至る航路案内である。『瀬戸内海航路案内』(大正二年)と同じ判型である。  
●航路案内 大阪商船株式会社[編] 大正八年 大阪商船株式会社発行
中国、台湾、朝鮮などのアジアと、北米、南米、インド、オーストラリア、南洋、およびヨーロッパなど世界各地へ至る航路案内である。日本を起点として、世界各地への海上旅行のネットワークが完成していることを示す貴重な案内書である。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第21巻 日本郵船株式会社渡航案内/埃及見物/渡欧案内/欧洲大陸旅行日程/郵船の世界一周

刊行年月 2015年05月 定価18,700円 (本体17,000円) ISBN978-4-8433-4781-2

●日本郵船株式会社渡航案内 日本郵船株式会社[編] 大正五年 日本郵船株式会社発行
明治一八年に創設された日本郵船会社による航路案内書である。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアをはじめとする外国航路がとりあげられている。
●埃及見物 日本郵船株式会社[編] 大正一四年 日本郵船株式会社発行
日本郵船会社が定期航路を運航していたヨーロッパ航路上のエジプトに関する案内書である。この大正一四年版を初版として、昭和一〇年代まで複数回にわたって改訂された。  
●渡欧案内 日本郵船株式会社[編] 昭和六年 日本郵船株式会社発行
日本からヨーロッパへ至る航路上の寄港地に関する案内が簡潔にまとめられている。本書の初版は大正六年で、その後昭和一〇年代まで複数回にわたって改訂された。  
●欧洲大陸旅行日程 日本郵船株式会社[編] 昭和三年 日本郵船株式会社発行
ヨーロッパにおける旅行の行程案とロンドン、パリ、ローマをはじめとする各都市の旅行案内書である。本書の初版は大正一四年で、その後昭和一〇年代まで数回にわたって改訂された。この昭和三年版では表紙にレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」が描かれている。
●郵船の世界一周 日本郵船株式会社[編] 昭和四年 日本郵船株式会社発行
日本郵船会社の定期航路を利用した世界一周旅行の案内書である。海上の航路網が発達したことで、旅行の空間が地球規模に拡大した様子がうかがわれる。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第22巻 桑港航路案内/米国鉄道旅行案内/濠洲航路案内/熱帯地航海の魅惑/爪哇とバリ/布哇案内

刊行年月 2015年05月 定価22,000円 (本体20,000円) ISBN978-4-8433-4782-9

●桑港航路案内 日本郵船株式会社[編] 昭和三年 日本郵船株式会社発行
アメリカ大陸西海岸にあるサンフランシスコへの航路案内である。航路上に位置するハワイの旅行案内も含まれている。本書は昭和二年に刊行された判型の異なる小冊子を改訂し出版されたものである。
●米国鉄道旅行案内 日本郵船株式会社[編] 昭和七年 日本郵船株式会社発行
アメリカ大陸横断鉄道の旅行案内書である。船舶会社による鉄道旅行案内書という点がユニークである。本書は昭和三年に刊行された『米国鉄道旅行案内』の第三版である。  
●濠洲航路案内 日本郵船株式会社[編] 昭和九年 日本郵船株式会社発行
オーストラリアへの航路案内である。本書は大正一四年に刊行された判型の異なる小冊子を改訂し出版されたものである。  
●熱帯地航海の魅惑 熱帯の航海 日本郵船株式会社[編] 昭和二年 日本郵船株式会社発行
インド洋などの赤道地域の植物(ドリアンやマンゴーなど)に注目した異色の案内書である。大正一五年に刊行された『熱帯地航海の魅惑』の改訂版である。  
●爪哇とバリ 日本郵船株式会社[編] 昭和九年 日本郵船株式会社発行
現在のインドネシア、ジャワ島とバリ島への航路案内である。本書の一部は昭和二年に『爪哇の旅』として刊行されていた。  
●布哇案内 日本郵船株式会社[編] 昭和一一年 日本郵船株式会社発行
ハワイへの航路と現地の案内書である。初版は昭和九年。本書はその再版である。「憧れのハワイ航路」と歌われる前の時代の案内書として貴重である。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 第5回配本 旅程と費用概算 全4巻

刊行年月 2015年12月 揃定価102,300円 (揃本体93,000円) ISBN978-4-8433-4891-8

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第23巻 漫遊案内 七日の旅/郊外探勝 その日帰り

刊行年月 2015年12月 定価31,900円 (本体29,000円) ISBN978-4-8433-4892-5

●漫遊案内 七日の旅 落合浪雄[著] 大正五年 有文堂書店発行  
●郊外探勝 その日帰り 落合浪雄[著] 大正七年 有文堂書店発行
落合浪雄(落合昌太郎)による『漫遊案内 七日の旅』と『郊外探勝 その日帰り』は、明治四〇年代のほぼ同時期に初版が刊行され、改訂が重ねられた姉妹本である。明治四三年に出版された『漫遊案内 七日の旅』は、一週間(七日間)で旅行できる具体的な旅程案が示された案内書である。初版では「箱根の七湯めぐり」や「宮島と瀬戸内海」など、一七の旅程が収められた。大正五年版は「北海道一覧」や「台湾」、「朝鮮」、「満洲瞥見」などがあらたに加えられた、増補改訂版である。一方、『郊外探勝 その日帰り』は明治四四年に初版が出版された。こちらは日曜日を利用する日帰り旅行の案内書であり、東京近郊の遊覧地がとりあげられている。大正七年版はその増補改訂版である。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第24巻 満鮮観光旅程/鮮満支那 旅程と費用概算/朝鮮満洲旅行案内/鮮満中国旅行手引

刊行年月 2015年12月 定価14,300円 (本体13,000円) ISBN978-4-8433-4893-2

●満鮮観光旅程 南満洲鉄道株式会社運輸部営業課[編] 大正六年 南満洲鉄道株式会社発行
二〜三週間の日程で朝鮮と満洲を旅行するための旅程案と、その費用の概算が記された案内書である。大正五年に初版が刊行され、大正期においてほぼ毎年改訂版が出版された。本書は初版刊行翌年の改訂版である。ジャパン・ツーリスト・ビューローによる『旅程と費用概算』へと継承される案内書の形式を有している。  
●鮮満支那 旅程と費用概算 満鉄東京鮮満案内所[編] 大正一三年 満鉄東京鮮満案内所発行
『満鮮観光旅程』は大正一一年に『鮮満支観光旅程』へと改題され、さらに大正一二年には『鮮満支那 旅程と費用概算』へと改題がなされた。本書はその大正一三年版である。旅行案内書としての形式は『満鮮観光旅程』から継承されており、二〜三週間の日程で朝鮮、満洲、支那を旅行するための旅程案と、その費用の概算が記されている。  
●朝鮮満洲旅行案内 鮮満案内所[編] 昭和六年 鮮満案内所発行
朝鮮や満洲への旅程案と費用の概算が記された一連の案内書とは別に、大正一四年に『朝鮮満洲旅行案内』が出版され、昭和初期にかけて増補改訂が重ねられた。南満洲鉄道株式会社による『南満洲鉄道案内』(大正元年)や『朝鮮鉄道旅行案内』(大正一〇年)[復刻版第一四巻、第一五巻収録]を、コンパクトなサイズに再編集した旅行案内書である。『満鮮観光旅程』と『鮮満支那 旅程と費用概算』では旅程案の提示に特徴がみられるが、本書は現地での旅行案内に焦点が当てられている。  
●鮮満中国旅行手引 南満洲鉄道株式会社東京支社庶務課[編] 昭和八年 鮮満案内所発行
本書は「旅程と費用概算」と同様に、一般的な旅行案内書とは異なる。「旅行の手引き」を主題とし、乗車船券、宿泊施設、内地とは異なる旅行の事情をはじめとする旅行の技術的な側面が解説されている。 昭和五年に『鮮満支旅行手引』が出版され、二年後の昭和七年には『鮮満中国旅行手引』と改題され複数回の改訂がなされた。本書はその昭和八年版である。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第25巻 旅程と費用概算(大正9年版)/旅程と費用概算(大正15年版)

刊行年月 2015年12月 定価22,000円 (本体20,000円) ISBN978-4-8433-4894-9

●旅程と費用概算(大正九年版) ジャパン・ツーリスト・ビューロー[編] 大正九年 ジャパン・ツーリスト・ビューロー発行
明治四五年に創設されたジャパン・ツーリスト・ビューロー(現在のJTB)による最も初期の旅行案内書である。初版となる本書『旅程と費用概算』大正九年版は、一〇〇ページ余りの小冊子であるが、東京近郊のほか、北海道や九州、朝鮮金剛山、朝鮮、満洲への旅行など、合計二九の旅程と費用概算が記されている。
●旅程と費用概算(大正一五年版) ジャパン・ツーリスト・ビューロー[編] 大正一五年 ジャパン・ツーリスト・ビューロー発行
『旅程と費用概算』は新しい遊覧地を加えるなどの増補改訂によって、次第にページ数を増やしていった。本書は初版から六年後の改訂版であるが、ページ数、旅程案数ともに初版の三倍以上である。各旅程上の具体的な旅行案内も充実しており、この時期の旅行の実態を知る上で、貴重な歴史資料である。

シリーズ 明治・大正の旅行 第1期 旅行案内書集成 第26巻 旅程と費用概算(昭和5年版)

刊行年月 2015年12月 定価34,100円 (本体31,000円) ISBN978-4-8433-4895-6

●旅程と費用概算(昭和五年版) ジャパン・ツーリスト・ビューロー[編] 昭和五年 ジャパン・ツーリスト・ビューロー発行
増補改訂を続けた『旅程と費用概算』は、昭和五年版では七〇〇ページを超える旅行案内書となる。本書は多くの写真や図版を含み、およそ一二〇の詳細な旅程案が記されている。同時代を代表する鉄道旅行案内書である、鉄道院編『鉄道旅行案内』(大正七年)[復刻版第九巻収録]とともに、その内容の充実ぶりは特筆される。なお、本書出版の翌年、昭和六年版からは発行元が博文館へと移り、昭和一五年までにほぼ毎年増補改訂版が刊行された。