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書誌書目シリーズ114
中古中世散文索引選―小山田与清『群書捜索目録』Ⅰ―全6巻
揃定価132,000円(揃本体120,000円) ※分売不可
ISBN 978-4-8433-5531-2 C3300
A5判/上製/カバー
刊行年月 2019年04月
関連情報
本書の内容
小山田与清によって編まれた世界最大級の総索引叢書。現存部分より、説話・物語の索引を精選する。
[編・解題]梅田 径 早稲田大学日本古典籍研究所招聘研究員
【検索対象作品】
十訓抄 宇治拾遺物語 古今著聞集 発心集 慰草(徒然草) 沙石集 大鏡 古事談 続古事談 とりかへばや 落窪物語 浜松中納言物語
全6巻
◆第1巻◆ 八談類語 一(第1冊 イ〜ト/第2冊 チ〜ヨ)
◆第2巻◆ 八談類語 二(第3冊 タ〜ウ/第4冊 ヰ〜ケ)
◆第3巻◆ 八談類語 三(第5冊 フ〜ア/第6冊 サ〜ミ)
◆第4巻◆ 八談類語 四(第7冊 シ〜ス/第8冊 地名 イ〜ス/解題)
◆第5巻◆ 大鏡類語/取替早詞寄(解題)
◆第6巻◆ 落窪目録/浜松中納言物語目録(解題)
日本最大級の蔵書家としても知られる和学者、小山田与清(1783〜1847)は、同志と共に和漢の知識を網羅せんと、あらゆる著作の巻丁索引を作製した。その執念は類字函と呼ばれた索引ノートの集成を基盤として作製された総索引叢書『群書捜索目録』を出現せしめることになる。最終的には3,000巻にもなったと伝えられる、世界的にも類をみない規模の総索引は、類字函二部と共に、当時仕官していた水戸彰考館に納められた。
昭和20年(1945)8月1日に彰考館が焼失、当時約90部450冊あったと推察される『群書捜索目録』全部が灰燼に帰した。一方、東京帝国大学においても複写本が作製され、明治21年(1888)1月1日調では75部318冊が現存し、後に92部394冊まで索引類の複写本が作られていたことが知られていたが、こちらも大正12年(1923)の関東大震災で全て焼失してしまった。
しかし、彰考館蔵本の複写本の一部が国立国会図書館に残されており、18部102冊が現存する。ごく限られた領域に限り、部分的に紹介されることもあったが、その本文は未だ知られるところではなかった。近世期に知られていた歌集の語句索引を編まんとした『二編歌集類語』や、300点以上の引用書目が掲げられる国書・漢籍・仏書の総合索引『文峰四臨』など、残された数は少ないものの、広範な検索範囲の索引が現存している。与清はこれらの索引によって膨大な考証随筆を著し、また山東京伝『骨董集』の誤りを正すなどの業績を残した。近世期における索引の最高峰であり、近世末期における和学の水準をうかがい知る第一級史料である。
現存する『群書捜索目録』を、斯界の要望に応えん為に再編して復刻した。その第一弾として「八談類語」「大鏡類語」「取替早詞寄」「落窪目録」「浜松中納言物語目録」の物語・随筆・説話の索引を復刻する。「八談類語」は、『宇治拾遺物語』『古事談』『続古事談』『古今著聞集』『発心集』『慰草』『沙石集』『十訓抄』の説話集・随筆の八部を索引化した著である。「取替早詞寄」「浜松中納言物語目録」のように近世に開版されず写本でのみ流通した書物の索引も存し、文学作品の享受・利用といった観点からも注意される。文学、歴史学、図書館学にとどまらない広い利用を期待される叢書である。
【本書の特色】
●国立国会図書館本の群書捜索目録を使いやすく再編して復刻。
●自序や跋文をもつ索引も存し、製作意図や検索対象の伝本流通の様相が伺える。
●索引学者としての小山田与清の蔵書構成および、彰考館本との関わりを明らかにする手がかりとなる。
●現代でも通用する広範な語句索引。比較的状態のよい写本で、読みやすい。
●各索引について詳細な解題を付した。