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関連情報

• 書誌書目シリーズ120「松㝢日記 全14巻」のカタログはこちらです。（pdf/3,671KB）

本書の内容

水戸藩弘道館における各種図書の出納管理や、各大名などの問い合わせに対する回答など、現在の図書館の司書に通じるような仕事や、水戸藩の動静が具体的に伺える貴重史料。

西野宣明は、水戸藩士で、江戸後期から明治にかけて弘道館訓導兼務として、国学並武家故実掛、山稜取調掛など役職を歴任し、図書の管理や考証・校正・清書などに携わった。倭学の師に小山田与清がおり、天保10年には『訂正常陸国風土記』を刊行、写本では多数の考証が確認できる。日記の内容は多岐に渡るが、なかでも書物および文藝に関する記述の多さは近世史のみならず書物学にも資するところが大きいものと思われる。数々の書名のみならず、鷹書などの諸本校合などの校正、『八洲文藻』を初めとする国史の進献に関わったほか、弘化３年に小山田与清の旧蔵書を彰考館文庫が引き受けた際、その献納処理にあたっていた。この日記を書誌書目シリーズの一隅に配するのもその理由からである。本複刻を通じて江戸時代における図書利用の一端を知らせることができれば望外の喜びである。

本書の特色

●主として弘道館訓導として、各種図書の出納管理や各大名などの問い合わせに対する回答など、現在で言うところの図書館の司書の仕事が具体的に伺える貴重な史料。
●小山田与清が弘化3年水戸藩の徳川斉昭に蔵書2万巻を献納した時の状況が具体的にわかるのは特筆される。
●幕末水戸藩の動静をはじめ、当時の社会情勢や人の動向などが記録され貴重な幕末維新期の史料の一つといえる。
●最終巻に、掲載書目の索引を付す。